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NPO法人愛知アート・コレクティブ月例講座No8
『稚拙の花火 山下清と沼祐一』


日程/10月7日 木曜日午後6時30分〜8時30分
場所/なごやNPOプラザ
講師/三頭谷鷹史氏(美術評論家)
参加費/会員300円、一般500円


待望の評論、放浪の画家「山下 清」や「沼 祐一」の
新発見について語ってもらいます。


申し込みは愛知アート・コレクティブへ

  山下清は、人々に広く知られた存在でありながら、美術史上に場所をえていない画家です。美術専門畑での評価は曖昧であり、むしろ美術の本筋とは無縁だと見られてきたと言ってよいでしょう。では、昔から美術の専門家たちは山下を問題にしなかったのでしょうか。ちがいます。昭和13年、早大心理学の戸川行男が大隈講堂でプロデュースした山下を中心とする八幡学園児の作品展では、多くの美術家たちが衝撃を受けているのです。案内状に掲載された山下作品にひかれて、安井曽太郎が会場に現われ、山下作品にのめり込んでいきます。「みづゑ」編集人の大下正男も同様でした。熊谷守一がモンペ姿でやってきたし、北川民次は山下を指導したがったようでした。さらに翌年、銀座の画廊での展覧会では、わずか5日間に2万人の観客が押し寄せ、ついに入場制限するといった事態になりました。この時、わが国で初めてアウトサイダー・アートが国民的関心事になったのです。日中戦争のさなか、軍事色が深まっていくなかでのことです。
 議論が沸きあがりました。とりわけ山下作品の芸術性についての議論が熱をおびます。安井曽太郎、梅原龍三郎、藤島武二、川端竜子、哲学者谷川徹三らによる座談会からは、美術家たちの困惑が伝わってきます。また、柳宗悦が全面肯定の見方を示し、小林秀雄が否定的見解を論述しているのも興味深いのです。戦後になって、柳は小林を批判しつつ、山下作品は「明治、大正、昭和にかけて日本で生れた絵画のうち、第一列に加わるものだ」と語ります。柳にただちに同意するかどうかは別にして、太平洋戦争で頓挫してしまった議論を継承する必要があるのではないでしょうか。日本近代美術の大きな欠落部分、さらには美術の現在と未来にも関わってくるように思えてならないのです。
 最近になって八幡学園での山下の学友であった沼祐一の作品が65年ぶりに再公開されました。山下は軽度の障害でしたが、沼は重度の知的障害で、身体的障害、残酷なまでの家庭的不幸が重なった宿命を生き、戦争中に18歳で亡くなりました。その彼の作品がすばらしく、山下に匹敵するアーティストだと実感しました。そして私は、今までの美術観が崩壊していくような気分になったのです。美術はもっと不思議な深さをもつのだと。(講師コメント)

三頭谷鷹史(みずたにたかし、美術評論家)
1947年愛知県生まれ。批評誌「裸眼」編集執筆。「8号室」「壱金講座」運営参加。「美術手帖」、「毎日新聞(中部)」、「版画芸術」、「朝日新聞(名古屋)」などの展評欄担当。著作『前衛いけばなの時代』(美学出版)。美術評論家連盟会員。名古屋造形芸術大短大部教授。

 

なごやNPOプラザ
NPOプラザ地図
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申し込みは愛知アート・コレクティブへ
名古屋市熱田区波寄町14-7エトワール金山106
tel 052-882-3174 fax 052-882-3173
http://AICHI-A-C.org 
e-mail:info@aichi-a-c.org

 

《予告》
月例講座・11月 靴デザイン・クラフトスクール訪問 オリジナルシューズをつくる工房での靴文化の歴史のお話とベビーシューズの制作も行ないます。
日程/11月15日月曜日午後6時〜9時
場所/名古屋靴工業共同組合(名古屋駅前、ノリタケ・産業技術博物館北)詳細は参加者にはご連絡します。
参加費/会員1,000円、一般1,500円

 


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